熟年離婚の特徴と問題点について
はじめに
近年、高度な高齢社会に伴い、熟年離婚の割合が増えているというデータがあります。
一般的な離婚(若年離婚?)と比べ、熟年離婚は法的観点や、その他の角度から考えて
なにか特徴があるのでしょうか?
(写真はイメージです)
熟年離婚ならではの問題として、今回は特にお金の問題に焦点を当てて考えてみましょう。
お金の問題
熟年離婚の場合、子は成人しているでしょうから、専らお金の問題が重要になります。
離婚する場合、婚姻中に形成した財産の分配請求権(財産分与請求権)があり、
また、相手方に不法行為(不貞、DV等)があれば慰謝料請求権も認められます。
しかし、離婚してしまえば、相続権は無くなります。
他方、離婚せずに、相手方が死亡すれば、財産分与請求権は認められませんが、相続権が認められます
それでは次に例を挙げて具体的に検討してみましょう。
具体例1
相手方の総資産=1億円、分与対象財産=5000万円の場合
⑴ 離婚する場合
分与対象財産=5000万円の半分の2500万円を取得できることになります。
⑵ 相続の場合
ア:子供がいる場合
相手方の総資産=1億円の法定相続分(2分の1)の5000万円を相続することになります。
イ:子供(及び被相続人の親や兄弟)がいない場合
相手方の総資産=1億円を相続することになります。
5 具体例2
相手方の総資産=1000万円、分与対象財産=800万円の場合
⑴ 離婚する場合
分与対象財産=800万円の半分の400万円を取得できることになります。
⑵ 相続の場合
ア:子供がいる場合
相手方の総資産=1000万円の法定相続分(2分の1)の500万円を相続することになります。
イ:子供(及び被相続人の親や兄弟)がいない場合
相手方の総資産=1000万円を相続することになります。
このように、相続の場合のほうが経済的には、有利になる場合が多いです。
相手方の顔も見たくない、又は相手方が元気という場合には、離婚せずに、とりあえずは別居という手法もあります。
逆に相手方が7のような手法に出てきた場合には、第三者に贈与(生前、遺贈)して、
相手方に渡る財産を減少させることが必要になってきます。
以上にまとめました通り、
熟年離婚におきましては、離婚する場合や、相続する場合によりまして、
根本的な考え方が変わってくることがあり得ます。
感情的に結論を出してしまうのではなく、
ご自身の将来にとりまして、何が一番なのかを考えながら
新しい一歩を踏み出すべきでしょう。
またその際には高度な専門性を有した知識が必要となります。
弁護士に相談、依頼することによりまして、皆様のお悩みが軽減することがあります。
まずはお気軽にご相談ください。
弁護士川原俊明
「熟年離婚にもテクニックが必要となります。
まずはお気軽にご相談ください。」


温和な風貌からは想像できない情熱的な事件処理と、40年を超える弁護士実績で、生涯現役を貫く。弁護士業の傍ら、追手門学院大学理事長、学校法人追手門学院大学の学長も兼ねる。


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